今回の依頼は、洗濯機の下が濡れているとの事。
洗濯機が壊れたと思って呼ばれることが多いんですが、こういう水漏れ、実は洗濯機が原因じゃないことも意外と多いんです。
結論から言うと、原因は蛇口についているニップル(給水ホースをつなぐ部品)の劣化。ニップルを新しいものに交換したら、漏れは止まりました。
この記事に当てはまる症状
・床の水の跡をたどっていくと、蛇口の真下から始まっている
・給水ホースに水滴が伝っている
作業時間の目安は15分くらい。道具はモンキーレンチ(幅を調整できるスパナ)が1本あればできます。
水漏れは、まずどこから漏れているかを見る
洗濯機の水漏れは、だいたいこのあたりが多いです。
- 床の排水口のつまり
- 蛇口のところ(ニップルの劣化)
- 本体の中の排水ホースの破れ
本体の中のホースが破れていたときの話は、こちらにまとめています。

やっかいなのは、水は低い方へ流れていくことなんです。蛇口から漏れた水がホースを伝って床に落ちて、そのまま洗濯機の下まで流れていく。洗濯機の下が濡れているので、洗濯機が悪いと思ってしまうんですね。
なので、まずは床の水の跡をたどって、どこから始まっているかを見ます。始まりが蛇口の真下なら、ニップルを疑っていいです。

矢印の先に、ホースを伝ってくる水滴が見えると思います。床が濡れているのに気づく前に、ホースのこの水滴で気づく人もいます。
洗濯機を買い替えても、ニップルは古いまま
洗濯機を買い替えると、給水ホースから先は新品になります。
でも、蛇口とニップルは家についているものなので、そのまま使い続けることになるんです。洗濯機は2台目、3台目なのに、ニップルは家を建てたときのまま、なんてこともよくあります。
なので給水ホースは問題ないけど、ニップルの方が原因で水が漏れてることの方が多いです。

右が今回外した古いニップルです。ホースをつなぐ先端が、緑青(銅のサビ)と水あかでボロボロになっています。ここが荒れると、ホースとのすき間から水がにじんでくるんです。
自分の蛇口に合うニップルを確かめる
ニップルは、蛇口の形によって合うものが違います。ここを間違えると、買ってきても付きません。
今回の蛇口は「万能ホーム水栓」と呼ばれるタイプ。蛇口の先の曲がった部分が、ナットでつながっていて外せるものです。洗濯機用の蛇口では、一番よく見かける形です。
先の曲がった部分を外せない蛇口なら、別のタイプのニップルになります。買う前に、自分の蛇口がどちらか見ておくと安心です。
ニップルの交換(15分くらい)
道具はモンキーレンチだけ。シールテープ(ねじに巻いて水漏れを防ぐテープ)は要りません。
モンキーレンチは、口の幅を調整して、ナットをはさんで回す工具です。今回紹介しているニップルなら、口が30mmまで開けば付けられます。
僕が使っているモンキーは重いので、今買い替えるなら軽いものを選びます。突然現れた強盗と戦う予定でもなければ、軽いものをおすすめします。
ロブテックスのハイブリッドモンキレンチ UM30XGは、口が30mmまで開いて、重さは170gです。
1. 蛇口を閉める
作業の前に、まず蛇口をしっかり閉めます。
ただ、ずっと動かしていない蛇口は、固まって閉まらないことがあります。無理に動かして壊すくらいなら、一旦家の止水栓(家全体の水を止める栓)で止めることもできます。家中の水道が止まるので、家族に一声かけておくといいですよ。
これは大げさに言っているわけじゃないんです。僕は過去に1回、目の前で蛇口が折れたことがあって、家の中がスプラッシュマウンテンみたいになりました。あれは本当に恐ろしかった。もし蛇口を折ってしまったときも、家の止水栓で止めることになります。止水栓の場所は、作業の前に確かめておくと慌てずに済みます。
蛇口を閉めたら、給水ホースを外します。そのまま外すとホースの中の水が飛び出すので、外し方はこちらにまとめています。

2. 古いニップルを外す
給水ホースを外したら、モンキーレンチでナットを回して、古いニップルを外します。

外したら、蛇口の口の中に古いパッキン(水漏れを防ぐゴムの輪)が残っていないかを見ます。古くなったパッキンは、ニップルと一緒に取り除いておきます。

蛇口を閉めていても、中に残っていた水が少し垂れてきます。下にタオルを置いておくと安心です。
3. 新しいニップルを付ける
新しいニップルを、蛇口にねじ込みます。

付けたら給水ホースをつないで、蛇口を開けます。ニップルのまわりとホースの付け根から水がにじんでこないかを見て、大丈夫なら完了です。

ストッパー付きのニップルにグレードアップ
このお宅の元のニップルは、ストッパーが付いていないタイプでした。今回は、ストッパー付きのものに替えています。
ストッパーは、万が一ホースが外れたときに、自動で水を止めてくれる安全装置です。
ストッパーがないと、もしホースが外れたときに、蛇口の水が出っぱなしになります。蛇口から出る水は、1時間でお風呂3杯分くらいです。
これが留守にしているときだったら悲惨ですよね。マンションなら、下の階まで水が漏れることもあります。
僕が仕事で使っていたのは、カクダイの772-546というストッパー付きのニップルです。これは特定の流通経路向けの品番で、通販では手に入りにくいです。通販で買えるものだと、同じカクダイの772-545が、万能ホーム水栓用のストッパー付きニップルとして売られています。
ウルトラファインバブル付きのニップルもある
最近は、ウルトラファインバブル(目に見えないくらい細かい泡)を出すニップルもあります。SANEIのFB洗濯機用ニップルは、ストッパーも付いていて、部品を組み替えると色々な蛇口に付けられるタイプです。
ただ、井戸水を洗濯機につないでいる家には、僕は普通のニップルをおすすめしています。細かい泡を出すための通り道が細いので、井戸水に混ざっている砂や鉄分が詰まりやすいからです。
ちなみに僕の家でも、ウルトラファインバブルのアダプタを使っています。こちらはニップルではなく、給水ホースの付け根に付けるタイプ。この話は、また別の記事で書こうと思っています。
まとめ
洗濯機のまわりの床が濡れていたら、まず水の跡がどこから始まっているかを見ます。
蛇口や給水ホースの下から始まっていたら、洗濯機を疑う前に、ニップルを見てみる価値はありますよ。交換はモンキーレンチ1本、15分くらいでできます。
どうせ替えるなら、ストッパー付きにしておくと安心ですよ。

